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【英検2級】難易度が上がった!?

こんにちは、もち丸です。
英検1級合格・TOEIC960点取得などの経験を活かして、英語講師をしています。
このブログでは、主に英語資格試験の対策・勉強法などを紹介しています。

さて、2025年に入ってから、「英検2級の試験問題が難しくなった・・・」と生徒から相談を受けることが増えました。

2級については、最近問題内容のリニューアルなどがありましたが、実際のところはどうなのでしょうか?

この記事では、
英検2級の問題が難しくなったのかどうかについて考察していきたいと思います。
(※あくまで個人の推察になります。)

英検2級の難易度は上がっている

個人的な見解としては、英検2級の試験問題は難しくなってきていると思います。

そして、2級の内容が難しくなった理由として、以下3つがあると考えています。

  1. 問題内容のリニューアル
  2. 準2級プラスの導入
  3. 学習指導要領の改訂

『①問題内容のリニューアル』と『②準2級プラスの導入』については、それぞれ2024年と2025年に行われた変更点です。英検の公式サイトでも発表されていたので、ご存知の方も多いでしょう。

『③学習指導要領の改訂』は、個人的に2級のレベルが上がった大きな要因とみている背景の一つです。

では、それぞれの理由について説明していきます↓↓

①問題内容のリニューアル

まず、2級が難化した背景の一つに、問題内容の変更があります。
2024年度第1回検定から3級以上の級において試験内容のリニューアルが行われました。

これによって、2級ではリーディング問題が減り、代わってライティング問題で英文要約が追加されました。

英文要約では「英文を読んでその内容を英語でまとめるという、いわばインプット×アウトプットの能力が求められています。

もともと2級の筆記試験は、85分という試験時間の割りに問題数が多く、解答に時間的な余裕は与えられていませんでした。

加えて、日本の英語教育はインプットメインであることがほとんどのため、2級受験者の多くはインプットよりもアウトプットの方が圧倒的に苦手な傾向にあります。

これらを踏まえて言えることは、2024年のリニューアルによりリーディングの問題数は減ったものの、インプットとアウトプット両方の要素が必要な問題が新設されたことで、筆記試験の時間配分がさらに厳しくなったということです。

そしてこの英文要約ですが、2025年に入ってからは従来型の試験で「ソーシャルメディア」や「資材の削減」といった社会的なテーマを扱った問題文が出題されています。2級の標準的な語彙レベルよりも難しめの語彙が本文に混じっていることもあり、英文自体も難化傾向にあります。

そのため、リニューアル以前の2級試験に比べると難易度が上がっていると考えられます。

②準2級プラスの導入

2級の問題が難しくなった二つ目の背景として、新しい級が加わったことが挙げられます。
2025年度から、準2級と2級の間に【準2級プラス】が新設されました。
これは、準2級と2級の難易度の大きな差を埋めるための変更です。

個人的には、準2級プラスが導入されたことによって、
2級が「準2級の延長線上の級ではなく準2級とは一線を画す級であるということがはっきりしたと思っています。

そして「準2級と2級とでは明らかなレベルの違いがあるということをより明確にするために、準2級プラス導入前と導入後で2級の難易度が上がったのでは、と考えています。

例えばリーディングの長文問題をみてみると、

準2級・準2級プラス
中学生や高校生でも知っているもしくは聞いたことがあるような事柄がテーマに取り上げられることが多い。
このため、受験者にとっては多少語彙や文法が分からなくても内容を想像で補うことが可能。

2級
中学生や高校生にはイメージがしづらく背景知識も無いような話が論じられる。2025年の従来型では、心理学や自然科学といったテーマの長文が出題された。
テーマの専門性に合わせて、難しい語彙や文法が英文に用いられている。設問の選択肢も言い換えを鋭く見抜くことができなければ解答できないようなものが多い。
そのため、語彙・文法の観点から英文を正確に理解し、内容を的確に把握する力が必要。

このように、長文問題ひとつとっても2級と準2級・準2級プラスには明確な「差」があり、2級が一段上の級であることが分かります。

こういった「差」を顕著にするための工夫が2級のレベルを難しくしているのではないかと思われます。

③学習指導要領の改訂

2級のレベルが上がった三つ目の要因として考えられるのが、学習指導要領の改訂です。
英検は文部科学省の学習指導要領を踏まえて作成されていますが、この学習指導要領は約10年ごとに改訂されます。

近年の学習指導要領の改訂により、学校では英語がどんどん前倒しで学習されています。

例えば単語数でいうと、
直近の改訂により、小学校ですでに600~700語を習得することになりました。
中学では、1600~1800語を習得することになります。
高校では、なんと1800~2500語にまでのぼります。
合計すると、習得語数の目標はおよそ4000~5000語になります。

文法でいうと、
これまで高校で学んでいた現在完了進行形仮定法を中学で学習することになります。

そして、学習する語彙数や文法の増加に合わせるように、2級の試験内容に難しくなったと感じられる部分が出てきています。

例えば、2025年の筆記試験では、長文問題においてこれまではあまり見られなかったような専門的な語彙抽象的な表現やや難しめの構文などがチラホラ見受けられました。

そのため、長文が苦手な人にとっては内容が掴みづらく読みにくい文章だったようです。

小学校で外国語活動が導入されてからというもの、学校での英語学習は着実に前倒しされてきているので、今後もこの状況に応じて英検の難易度が変わっていくものと予想されます。

まとめ

2級の難易度が上がった理由について考察してみました。

  1. 問題内容のリニューアル
  2. 準2級プラスの導入
  3. 学習指導要領の改訂

ここで紹介した理由は、あくまで個人の推察なので確証があるわけではありません。

ただ、私が指導している生徒の多くから英検2級が難しくなったという声が上がっています。
私自身も、2級の問題を毎回実際に解きながら同じように感じています。

今後問題レベルがどのように変わっていくかは分かりませんが、上記の理由を踏まえると、引き続き難易度は上がっていくのではないかと私は予想しています。

英検2級を確実に取得したいのであれば、過去問を解きつつ語彙や文法を補強して、対策を徹底しておくのが無難かもしれませんね。

以上、このブログの内容が少しでも皆さんの学習の参考になれば幸いです。